最低賃金の引き上げに関する議論が始まりました

厚生労働省において、今年の最低賃金の引き上げに関する議論が始まりました。

最低賃金は各都道府県ごとに異なっており、最も低い秋田や高知など7県の792円から、最も高い東京都の1,013円まで幅があります。

最低賃金を決める流れとしては、まずは中央の最低賃金審議会が47都道府県を分類した4グループごとに、経済状況などに応じてそれぞれ引き上げ額の目安を示します。

そして、この目安を参考にして、都道府県ごとにある地方の審議会が引き上げ額を話し合います。

これらの結果が8月上旬頃に出そろい、10月上旬ごろから新しい最低賃金の運用が始まります。

最低賃金は、デフレ脱却を目指す安倍晋三前首相が2015年に「年3%」の引き上げを目指すと表明し、実際に2016~19年の全国加重平均は、年3%に相当する25円以上の幅での引き上げが行われました。

しかし、昨年はコロナ禍で政府が「雇用を守ることが最優先」と表明し、中央の審議会も「現行水準の維持が適当」と目安を示さなかったため、全国平均の引き上げ幅は1円にとどまりました。

今回は最低賃金の引き上げを持論とする菅義偉首相の意向も背景に、政府が「より早期に平均1,000円を目指して引き上げに取り組む」と表明し、以前の引き上げペースへの回帰を目指す意思を示しました。

これに対して経営側は反発を強めており、最低賃金の引き上げの流れを引き戻したい労働側との対立は昨年よりも激しいものになることが予想されます。