厚生年金の「パート適用拡大」が検討されています

厚生労働省の有識者懇談会が、厚生年金のパート従業員への適用拡大を求める提言をまとめたことが分かりました。

現在、パート従業員の厚生年金の加入要件は2つあり、1つ目は事業所の規模に関係なくパート従業員の1週間の所定労働時間が正社員の1週間の所定労働時間の4分の3以上であり、かつ1か月の所定労働日数が正社員の1か月の所定労働日数の4分の3以上あるというものです。

そして、2つ目が従業員501人以上の事業所で週20時間以上働き、月収8万8千円以上であるというものですが、現在改正が検討されているのは2つ目の要件で、適用対象となる事業所の規模を「従業員501人以上」から引き下げるというものです。

もしパート従業員の厚生年金の適用拡大された場合、新たに対象となったパート従業員には保険料負担が発生することになります。
現在の制度では厚生年金に入っている会社員に扶養されている配偶者は、自分自身が年金保険料を納めなくても、国民年金の「第3号被保険者」として国民年金を受け取れることになっており、健康保険の保険料を支払う必要もありません。

厚生年金の適用が従業員501人未満の事業所にも広がった場合、こうした職場に勤める月収8万8千円以上のパート従業員は第3号被保険者から外れて、自分で厚生年金や健康保険の保険料を支払う必要が出てきます。

自分で厚生年金保険料を支払うようになると将来もらえる厚生年金が増えることになりますが、年金財政の先行きが不透明な中、はたして将来自分が払った年金保険料の分の年金をもらえるのか不安に思う人も多くいると思われます。

あと、パート従業員の厚生年金の適用が拡大されるとパート従業員を雇用している会社の保険料負担も増えるため、経営が苦しくなる会社が確実に増えると思います。

厚生労働省の諮問機関である社会保障審議会は今回の提言を参考にして具体的な引き下げラインを検討し、政府は来年の通常国会に関連法案を提出する方針になっています。