残業代がゼロになる?

社会保険労務士の佐藤啓一郎です。

先日、新聞を読んでいたらとても興味深い記事がありました。

その内容は、現在政府の産業競争力会議という会議で、労働時間にかかわらず賃金を一定額にするという働き方を一般社員に適用することが検討されているというものでした。

現在、労働基準法という法律では原則として1日8時間を超えて働いた分について、時間外労働として残業代が支払われることになっています。

ただし、会社の上級管理職や研究者など一部の専門職に限って、会社が労働時間にかかわらず賃金を一定にして残業代を払わないことが認められていますが、この「残業ゼロ」の対象となる人を一般社員にまで広げることが現在検討されているのです。

対象とされているのは年収1千万円以上の高収入の社員や労働組合との合意で認められた社員ですが、従業員の長時間労働につながったり、いわゆる「ブラック企業」がこの制度を悪用したりすることが十分考えられるために、政府にはそこら辺をしっかり考慮して、慎重に議論してもらいたいものですね。