基礎年金部分の底上げが本格検討されています
厚生労働省の発表によると、基礎年金(国民年金)など公的年金の目減りを防ぐために、基礎年金部分の底上げ策の本格検討に入ったことが分かりました。
今年7月に公表された公的年金の将来見通しによると、就業する人の数や賃金上昇のペースが鈍いと想定したえ「過去30年投影ケース」では、給付水準は現在よりも2割ほど減少すると見込まれています。
公的年金は1階部分が基礎年金で2階部分が厚生年金となっていますが、今回の見通しだと1階部分の基礎年金の給付水準の減少が目立つ結果となりました。
そこで同省では年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用する厚生年金の積立金を活用して、基礎年金の抑制期間を投影ケースの57年度から36年度まで縮小することを検討しています。
しかし、基礎年金の半額は国の支出で賄う仕組みになっているために、巨額の財源確保が課題となります。
基礎年金の底上げ策として同省は当初、国民年金保険料の納付期間を現行の40年から45年に延長する案も検討していましたが、国の負担の増額に加えて年金保険料が増えることへの反発が大きかったため、同省は来年の制度改正では見送る方針を示しています。